Project

食品輸出事業
プロジェクト

Export Project
「世界の人に本当に美味しい日本食を味わってほしい」という想いから始まった食品の輸出事業

2009年3月にベトナム中南部の都市・ダラットの大型施設園芸の建設から始まったオーシャン貿易の海外事業。
食品の輸出事業部を立ち上げるきっかけとなったのは、入社3年目の社員が水産物買い付けのためにマレーシアを訪れたこと。当社では年齢、経験を問わず、やる気のある社員に仕事を任せること、そして本事業が軌道に乗ったことで、現在は多くの社員がアジア各国で活躍しています。

きっかけは、レストランオーナーが抱える不安の声

オーシャン貿易が食品の輸出事業の展開を始めたのは2006年。さらに販路を広げたのは、当時入社3年目の社員が水産物買い付けのために頻繁に訪れていたマレーシアでのある出来事がきっかけとなりました。 現地でよく立ち寄る日本食レストランのオーナーに「鮮度の良い食材が入らなくて困っている」と相談を受けたのです。
事情を聞くと、当時のマレーシアの日本食材サプライヤーは商品の理解や相場感も乏しく、少量輸入のために価格が割高になっていました。これが多くの日本食レストラン経営者の頭を悩ませていました。 加えて、レストランのオーナーは英語が堪能ではなく、サプライヤーとのコミケーションにも不安を抱いていました。 そこで、帰国後、日本産水産物の輸出事業を立案、すぐに承認され、同プロジェクトはスタートしました。

現地マレーシアにて
営業を開始するも……

マレーシアでの輸入卸売業務は、旧知の水産物取扱業者のオーナーが新会社を設立し、本事業に参画することに。新会社の名称は、鮮度にこだわるというポリシーを反映し、「センドイチ・マレーシア」と命名。 マレーシアの現地スタッフと弊社の営業スタッフも参加する日本での研修を実施。
保冷トラック、定温加工場の準備ができた2013年9月、FHM(Food & Hotel Malaysia)に出展。 それを皮切りに営業を開始しました。
顧客の反応はおおむね好評で、順調なスタートを切ることが期待されましたが、予想に反しトラブルが続出。 現地スタッフが注文を取り、日本のスタッフが築地で対応するというシステムでスタートしたものの、 マレーシア人スタッフの知識不足や、ミスコミニケーションの頻発、さらに特に丁寧な扱いが求められる冷凍マグロ製品で事故が多発したことで、一時は「注文ゼロ」という事態に陥りました。

信頼を取り戻したのは、丁寧な対応と体系化された知識

遠く離れた日本での現地フォローに限界を感じたスタッフが、マレーシアへ渡り、直接営業を行うことに。すると、丁寧な営業対応と、築地で培った知識が功を奏し、注文が徐々に戻り始めました。 当時マレーシアでも人気に火がつき始めた生鮮ノルウェーサーモンの輸入も同時に開始。 徹底した鮮度管理を導入し、大手レストランチェーンとも取引が始まったことで、ビジネスとして軌道に乗ったのです。
本事業開始当初の生鮮品の輸出量は月間150キロ程度でした。しかし現在、マレーシアだけでなく近隣のベトナム・シンガポール向けの輸出量は、航空と海上輸送をあわせると、月間約300トンにまで増加しました。

高まる日本食へのニーズに対応すべく、
ダイバーシティと人材育成を促進

隔年開催のFHMでは最大級のブースを出し、日本産水産物だけでなく野菜や果物をご紹介しています。 近年は商品の流通事業だけでなく、アジアで日本食セミナーを開催し、和食を専門とする外国人シェフのレベルアップと日本食文化の啓発にも積極的に取り組んでいます。世界での 日本食へのニーズはますます高まっており、特に東南アジア地域で高い関心を得ています。
ニーズに対応するカギは、ダイバーシティと人材育成。 私たちは現在、アジア出身のスタッフを豊洲市場で食材輸出業務に、弊社経営の寿司店で鮨職人としての業務についてもらうことで、次世代に活躍できる人材育成をめざして長期的に取り組んでいます。